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2013年2月

2013年2月の記事一覧です。

食と農を結ぶ交流フォーラム

平成24年12月12日(水)に鹿児島東急インで開催された「食と農を結ぶ交流フォーラム」は、100名の方々に参加をいただき、大変好評で賑わいをみせた研修会となりました。例年、県食料産業クラスター協議会主催で取り組む「食と農を結ぶ交流フォーラム」と(株)日本政策金融公庫主催で取り組まれていた「食の経営者フォーラム」を、1本化し、内容を充実した研修会として、本年度取り組みました。

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鹿児島県農業法人協会 
清水 克己会長
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(株)日本政策金融公庫
三河 敬
鹿児島支店長兼農林水産事業統轄

食の源流~川上・川中・川下~それぞれの部門について、専門の講師を招へいしました。

まず、(株)早和果樹園 代表取締役 秋竹新吾 氏に「農業の6次産業化による地域活性化への挑戦~ICT農業システムで美味しいみかんを作る~」について講演をいただきました。

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(株)早和果樹園 
代表取締役 秋竹新吾 氏

和歌山県有田市で、みかんの生産・加工・販売を展開する(株)早和果樹園では、ジュース、ジュレ、ワインなどの加工に取り組み、有名各百貨店や高級スーパーでもお取扱いされる商品として、早和果樹園ブランドも築かれています。

438年の歴史を持つ有田みかんに付加価値をつけようと、平成11年から加工部門に導入。糖度12度以上の特別美味しいみかんを、世界でも珍しいチョッパー・パルパーしぼりで絞り、ジュースを作られたのがきっかけとなり、現在15個の加工品を製造しつつ、1年に1個の新商品を生み出すことを目標に取り組まれていらっしゃいます。
秋竹社長は「はっきり言って、加工技術には強みはない。ただ、生産者だからこそ分かる美味しいみかんの素材を使った加工品をつくろうと思っている」と話されます。社員全員で試飲、試食はもちろん、社員の方から「このようにしたら美味しかったよ~」という声も活かし、お客様視点の商品づくりに努めていらっしゃいます。

生産においては、富士通と提携した「ICT農業」に取り組み、生産者として得た長年の知識、勘、経験、気象、栽培マニュアルなどをデータとして取り込み、「どんぶり勘定」の農業から「データ・精密」ミカン栽培へ移行されています。
「この畑で作ったみかんには、いくらの経費が掛かっているのか?」50年間知らずに生産されてきた秋竹社長は、コストの見える化で価格決定、経費削減を図ることができたようです。
当日は、遠路和歌山県よりお越しいただき、夜も鹿児島の農業法人の方々と意見交換をしていただきありがとうございました。
今後も、商談会や研修会などでお会いできるのを楽しみにしております。

次に、(株)エー・ピーカンパニー 取締役 野本良平 氏に「APが進める食の垂直統合」について講演いただきました。

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(株)エー・ピーカンパニー
取締役 野本良平氏

宮崎県日南市の自社農場で生産した地鶏をメイン料理とし、現在、首都圏を中心に人気な居酒屋「塚田農場」の他、12種類の飲食店を経営する(株)エー・ピーカンパニーは、生産地と直接提携し、物流コスト、納期短縮などによる鮮度向上の流通ソリューションを立て、商品に対するストーリーを大切にし、ブランド化も図っています。
生産者や生産物などの情報をメニューや店舗内装、接客でお客様に伝え、期待を超えるサービスに取り組んでいらっしゃいます。

「商品には、A品、B品、C品とつけられてしまう中、A品、B品は正規な価格で取引できるが、C品(規格外品など)については、思うような価格はつかない」という現状を覆したのが、野本様。全量買いをするように心がけ、その代わり、生産過程に対して細かく指導し、各生産者に商品を商品として扱ってもらうようお願いします。例えば、漁協の市場では、通常、地べたに直接魚を置いていますが、異業種からその現場を初めて見たときに、衝撃をうけた様です。そこで、トレーやすのこなどを利用して、商品1つ1つを丁寧に扱う様、変えてもらいました。

また、市場にあがった魚をフェイスブックなどに掲載し、お客様に伝え、その魚がその日のうちに首都圏の店舗で食べることができるというトレーサビリティーに取り組み、ファンを増やす努力もしていらっしゃいます。
生産者にとって眠っている宝を外部の人間と探し、生産者とお客様の双方が利を得ることができるようにしよう!という野本様は、「地元では、当たり前のように毎日採れ、廃棄しているようなものが、本当はおいしいものだということを、各生産者に分かってもらいたい」とおっしゃいます。

野本様は、セミナー講演に併せ、鹿児島の農業法人の現場や現状などを翌日視察していただきました。ありがとうございました。
鹿児島に塚田農場がオープンする日を、エー・ピーファンの一員として楽しみに待っています!最後に、(株)オフィス・カミーユ オーナシェフ 上柿元 勝 氏に「食材への感謝~九州食材への想い~」について講演いただきました。

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(株)オフィス・カミーユ
オーナーシェフ 上柿元 勝 氏

ハウステンボスホテルズの料理長を経て、日本のフランス料理界のリーダーの1人でもある上柿元シェフは、生産者と直接話し、素材を使った料理で地産地消の意識を高めるなど食だけでなく、農のキーパーソンともなられています。
現在、鹿児島県では、山形屋グループ 「ミディソレイユ」「ポルトカーサ」をプロデュースされています。当日は、シェフになるまでの苦労話や過程における話から、フランスと鹿児島の農業の違い、国内外における地産地消に取り組む活動事例など短い時間の中で、たくさん伝えていただきました。

「地域食材がいかに素晴らしいものなのか」を生産者、お客様に伝えられる様、素材の持ち味を大切にする料理をつくり、地域ブランドを高める上柿元シェフ。元々、鹿児島県出身ということもあり、当日は、鹿児島弁炸裂で講演いただきましたが、長崎弁も標準語も、フランス語も堪能にこなす上柿元シェフの話は、人間的な魅力があり、食・農に関することだけではなく、人生の勉強にもなりました。

上柿元シェフには、本フォーラムに併せ、長崎県より鹿児島にお越しいただき、夜も鹿児島県農業法人協会会員の皆様と一緒に、食と農のこと、フランスのことと、意見交換いただきました。ありがとうございました。
参加者の満足度約95%、不満足度0%の大変充実した研修会となりました。

参加者からは、「日本一を目指すことに手を抜かない、日々の努力に感銘した」「従来からの加工品の考え方の違い、最優良品を加工品にするという発想が勉強になった」「生産者と一緒に、本気になって商品づくりに励み、外食産業へチャレンジできる環境をつくる取り組みに感動」「生産者にも喜んでもらおうとする企業理念に感心する」「食の大切さを改めて認識した」「涙が出るほどの苦労話、感心した。一流になる人は、人が出来ないほどの努力をしていらっしゃることを実感した」などの意見を頂戴しました。

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参加者の様子

事務局としても、「鹿児島県農業法人協会に入っていて良かったと実感した」「こんなに素晴らしい研修会は参加したことがない」などの声を聞き、今後も会員満足度の高い研修ができる様、取り組んでいこうと感じております。

なお、参加いただいた(株)山形屋 食品仕入部長 日高博昭 氏は、「生産者がいるから、私たちバイヤーも料理人も成り立つ仕事。生産者は神様です。」とおっしゃいます。
今回のフォーラムも、生産者、加工業者、食品メーカー、バイヤーなどを参集し、異業種交流会として取り組みましたが、地域の方々と連携し、6次産業化・農商工連携なども積極的に支援しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

今回、(株)日本政策金融公庫鹿児島支店 農林水産事業の皆様方のおかげで、無事このような盛大な研修会が開催できました。また、後援いただきました鹿児島県農産物加工推進懇話会、鹿児島県食料産業協議会の皆様方も、ありがとうございました。