担当者のブログ

人材育成研修会

いつも大変お世話になっております。

鹿児島県農業法人協会事務局を担当の山野です!

 

11月20日(月)に「人材育成研修会」をマリンパレスかごしま(鹿児島市)で、当協会の会員以外にも参加を呼びかけ、53名の出席で開催しました。

普段は経営者向けのテーマや内容が多いですが、今回は対象者を幹部(農場長など)とした内容で行いました。現場にうかがわないと会えない方々に出席していただけたので、いつもとは違った雰囲気の開催となりました。

 

<日程表>

〇開会

〇挨拶

〇優良事例に学ぶ人材育成のポイント

〇労務管理についてのグループディスカッション

〇閉会

 

<開会・挨拶>

鹿児島県農業法人協会 古川 拡会長より一言挨拶。

 

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<優良事例に学ぶ人材育成のポイント>

●旭ファーム() 専務取締役 外川内 健 氏

 

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旭ファーム()は、さつま町で養豚を営んでおり、昭和56年に(農)旭ファームを設立し、平成19年に旭ファーム()を設立。設立当時(10年前)の経営規模は、母豚1100頭、飼育総頭数約15,000頭となっています。

現在は、社員の平均勤続年数11年、平均年齢41歳で次第に平均年齢が上昇しているそうです。

 

入社後の研修内容としては、

・1年目→豚に慣れること。豚の健康管理及び衛生管理など、基礎的な技術を身につける。

(体力面や人間関係もこの時期に育てていく)

※農業に慣れていない社員は「繁殖」を担当してもらい、可愛い子豚を見せて愛情を持たせるようにしている。

・2年目→豚の管理以外の作業(浄化槽管理・堆肥処理など)パソコンを使った事務作業等を指導。

(養豚は工業生産的な面もあるので、データの見方なども併せて指導していく)

※パソコン作業などは専門的な分野でもあるので、苦手な社員には説明だけで詳細を省いたりして、強要はしない。

・3年目以降→一通り各農場の各部署を研修し、研修生個々の特性を把握し、最も適した部署へ配属する。

(自分にあった仕事をすることで、やる気も変わる)

 

福利厚生面では、

・休み→ほぼ週休2日(月に8日間、1月は10日間、8月は9日間)

・給与→基本給だけでなく、家族手当など手厚くしている

・賞与→経営状態に応じて、基本的に夏と冬の年2回

・その他→①月1回コンサルト獣医による各農場の巡回及び勉強会の実施、全国各地で開催され るセミナーや交流会への参加。(固定概念や先入観の払拭にもなる)

※首都圏のセミナーや交流会に参加する時は、出荷しているところへ立ち寄り、売り場を見てくる。

②飲み会や花見、忘年会・新年会を開催

※農場が異なると勤務時間の交流が持てないので、社員同士のコミュニケーションの場を提供。お酒を飲んで人柄を見ることもできる。

 

他にも、指導者へは「言葉遣いや対応の仕方など、新入社員は分からないことばかりなので、まずは聞き手になるよう心がける」よう指導し、指導者側から歩みよることを伝えている。

 

こういった取り組みをされた結果、社員は少しずつ変化が見られ・・・

・仕事に対するモチベーションの向上が見られた。

・入社して3ヶ月の社員へ賞与を支給したところ、非常に仕事に対して積極的になった。

・新しい取り組みに対して、以前は「やっても同じ、他の誰かがするだろう」、現在は「自分が何かを変えて、もっといい成績を出そう!」と積極的な姿勢になった。

 

今後の取り組みとしては、

・社員の働きやすい環境づくり→古い豚舎の建て替え、作業の効率化など

・確かな飼養技術と技術力を習得させ、昇進を目指す社員育成

新入社員 → 部門リーダー → 農場長 → マネージャー

※現状の課題:部門リーダーの立場に満足している。

 

最後に、

【誇りの持てる仕事】 【誇りのもてる生活】

農業という食べ物を作る    家を建てる。旅行に行く。

1次産業にたずさわり、 など、いわゆる = 社員の満足(雇用の定着)

人々の食を支えている     「リア充」な生活。

ことを自覚する。

 

旭ファーム()は、雇用をするための会社の基盤作りにも積極的に取り組み、雇用した後の定着に向けて、ここに就職した後の将来設計ができるような仕組みづくりがされているな!と感じました。

 

()大崎農園 取締役 佐藤 和彦 氏

 

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()大崎農園は大崎町で葉ネギ、大根、キャベツを中心に営んでいます。経営規模としては、昨年度の作付延面積が100haで、今年度は120haを予定するなど今後も拡大が進みます。

 

会社として、経営目標に①「生産性の向上(品質・安定生産)」②「人材育成」③「新たな取り組み」を掲げていらっしゃり、今回は②「人材育成」で取り組みされていることを発表いただきました。

 

まずは、人材育成とは

・コスト管理。栽培管理が行えるプロの育成

GLOBALG.A.P.の維持継続(H26.3月取得)

地域(鹿児島県)の優位性をいかして、農家のプロ集団を目指しています。

 

次に、人材育成方法とは、

①誰に何を教えるかを明確にする!

組織図で説明されました。

・(新入社員や実習生)社会人としてのマナーやルールの教育

・(リーダー・リーダー候補)基本的な技術や知識、グループリーダーの育成

・(幹部・幹部候補)より専門的な技術や知識、管理職の育成

・(役員候補)経営者に必要な知識・人脈

農業は、計画(収穫目標)を立てて生産することができる業種なので、計画を立て、先のことを予測できる人材を育成することを共通点として指導されています。

 

②育成者(指導者)の心構え

・先人の人材育成法に学ぶ

→山本五十六氏、西郷隆盛氏の名言の紹介

・大事なポイントは育てる側にある!

→自分以上の人材に育てる想いがありますか?

人材育成は農家の仕事と一緒です。

人材育成の第一歩は、相手を信じ抜くこと。

最後に、

・人材は磨けば磨くほど光を増す。

・ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない。

・育成する側の私たちが常に自分のこと以上に、後継者を思うならばその思いがダイヤモンドになる。

・後継者や後輩のためを思ってしたことは、よくよく考えれば全て自分に帰ってきます。

・川に浮かべた笹舟が、つっかえた時にそっと手を差し伸べる。そんな先輩たちになってほしいと思います。

 

()大崎農園は、会社の組織作りもされていますが、指導者(育成者)側の考え方や接し方をに重点を置いているなと感じました。一度、会社へ訪問させていただいた時に、事例発表された佐藤さんと、新入社員さんと3人でお話しましたが、佐藤さんが新入社員に対して、今回発表いただいたように「できるよ!」「こんな風にしてみたら?」等、信頼関係ができていたとの印象を受けました。

 

外川内さん、佐藤さんの発表に対して質問もあがり、丁寧に対応していただきました!

 

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<労務管理についてのグループディスカッション>

最初に、「知っておきたい農業法人の労務管理」と題し、オフィスよしどめ 社会保険労務士 吉留 千代子氏に講演いただきました。

 

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鹿児島県の現在の有効求人倍率や、労働法、労務管理のポイントなどを具体的に説明いただきました。

基本的なことを、分かりやすく説明いただいたので参加された方からも好評いただき、「もっと時間をかけて詳しく聞きたかった」などの感想も寄せられました。

 

吉留先生の講演の後は、参加者が6つのグループに分かれて「社員の定着率をあげる労務管理」をテーマにディスカッションしました。

 

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皆さん積極的に自社の現状について相談したり、意見を出し合ったりされていました!

研修会への参加アンケートの中で以下のような意見をいただきました。

〇参考になる話を聞けて良かった

〇実際の現場の人材管理について知ることができた

〇自社だけでなく、他の法人でも同じ悩みを抱えており、一緒なんだと知ることができた

〇他の方の話も聞けて参考になった

〇人・技術の課題は同じでしたが、色々なお話を聞けて、今後何か解決できればと思った

 

 

ディスカッションでは、

「人間関係の難しさ」「社員への説明、説得方法」「自主性の育て方」「社員からの相談への対応」「社員育成法をどこで学べばいいか」などなど課題があがり、解決策を各グループで提案されていました。

 

 

皆さん、とても意欲的に参加されている印象をうけ、今回のような経営者以外を対象とした研修会は今後も必要とされているよう感じました。

各社で、勉強会などもされているかと思いますが、会社を超え、同じ農業法人に勤めている方々同士で交流を図れる研修会を開催していければと思います!

 

 

1月17日(水)~18日(木)は、鹿屋市で「宮崎・沖縄・鹿児島3県合同農業法人トップセミナーin鹿児島」の開催を予定しています。

今回は、「加工」を中心テーマとし、異業種経営者のセミナーや各県の事例発表、現地視察では加工場、直売所などをまわります。

県外の農業法人との交流を図れる機会になりますので、是非、ご出席ください。お問い合わせは鹿児島県農業法人協会事務局(TEL:099-286-5815)までお願いします。