担当者のブログ
9月4日、5日の両日、東京・池袋サンシャインシティで、鹿児島アグリ&フード金融協議会主催の「南の逸品商談会2014」が開かれ、当協会も出展して参りました。
毎年恒例の標記商談会。北洋銀行などが主催の北の逸品商談会と組んで7回目の開催となるそうで、今回は南側に京都から5社も初参加し、南から60.5小間、北から152小間の出展がありました。
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開会式 |
両日とも晴天に恵まれ、来場者は初日2,194人(主催者発表)、2日間で約4,200人のバイヤーにお越しいただけたようです。
例年どおり「鹿児島県農業法人協会」ブースも出しました。 今回は急遽キャンセルがあったため3社。
まず、古川会長(㈲コセンファーム・北薩漬物)。㈲小田畜産(牛肉・加工品)の蜜澤さん。
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(有)コセンファーム | (有)小田畜産 |
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(有)西田農産 |
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ヘンタ製茶(有) | (株)オキス |
近年、農業の6次産業化などで加工やブランド力の強化の必要性が指摘されています。 「売上=単価×数量」ですから、数量に限界がある以上、単価をとるしかない。6次化などは、そのための戦略ではありますが、気にとめるべきは、ブランドを決めるのは自分ではなく消費者だということです。
農畜産物の場合、これまで、どちらかというと作り手が品質や量を保証する「産地ブランド」が主流でした。しかし、今後、法人単体や農商工連携でブランドを発信しようとするとき、大切なのは「相手が何を求めているかを知り、求められているものを提供する」ということです。
実際、商談会では、卸や商社、小売、飲食、ネットスーパーなど様々なバイヤーの方と話します。
この会話の中で、それぞれの業態が求める値段や数量の違い、反応(どういった点に興味を持ってもらえているのか)などを確かめることができます。
中には「業者の方がおっしゃった何気ない一言が、商品ネーミングの参考になった」という出展者もいらっしゃいました。
また、商談相手以外にも、出展側がどういうものを出品し、どういう展示・演出をしているかも参考になります。実際、出展者の一人、オキスの岡本社長は「最初、北海道の完成度の高さにカルチャーショックを受けたのが(商談会出展の)原点。
今回は10組くらい次につながりそうな商談があったが、何回来ても勉強になる」と話されていました。
さらに、ある出展者の方は「最近は6次産業化の推進の中で、魅せ方ばかりに力を入れているような例もあるようだが、まずは素材(農畜産品)そのものの実力が大事」とおっしゃっていましたが、今回、初出店した㈲西田農産もまさに「種子島特産の安納芋」という素材を活かし、皮付きのまま角切りにしたグラッセ「種子島CUBE」がバイヤー(とくに若い女性)に大人気で、試食品はおろか
展示用のお芋まで全て売り切れとなる盛況ぶりでした。
こちらは、素材の良さに加え、後庵さん夫妻の人柄の良さ、さらにはパッケージデザインの可愛らしさも相乗効果をもたらしていたようです。
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種子島CUBEはこちら |
今回は、これまでの北と南の逸品商談会でなされていた、入口を1カ所に限定する手法が改められ、北、南の2カ所から自由に入場できるようになっていたため、奥の方の出展者のもとへ中々バイヤーがたどり着かない「デットタイム」もだいぶ解消されたようです。
また、連続出展されている方からは、来ているバイヤーの方もだいぶ変わってきており、本当に鹿児島のものを求めている雰囲気を感じる」との声も寄せられました。
是非、商談会に参加してみませんか?当協会では引き続き、正会員(農業法人)の商談会挑戦を応援していきます。
最近、鹿児島市内での研修会の開催が多くなっており、本年度は、離島や地域に密着した研修会を行おう!と第1回は沖永良部島で開催しました。
台風に怯えながらも7月16日(水)~17日(木)、無事、おきえらぶフローラルホテルにおいて、「農業法人について語る会」を実施することができました。
鹿児島県には離島が多く、その島部では、食材や商品の輸送コストも課題となっています。農業法人経営者や法人化を志向する農業者を参集し、付加価値をつけた販路拡大策として6次産業化などの研修会と、労務管理指導を内容とした研修会を行いました。
当日は69名のご参加をいただき、天候にも恵まれ、無事開催できました。ご参加いただいた皆さんはもちろん、参集及び運営にご協力をいただきました大島支庁沖永良部事務所、和泊町・知名町の農業委員会の皆様方、ありがとうございました。
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今回、ご講演いただいたのは、(株)ドゥーイット 代表取締役 本部 映利香 氏。販路拡大に向けた商品づくり、商品のブランディングについてお話しいただきました。
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参加者に近い距離で、皆さんとの会話のキャッチボールを図り、ユニークな研修会となりました。
本部様は、16歳の高校生で起業され、現在は、6次産業化プランナーや地域コーディネーターなども兼任され、地域資源を活用した町おこしや地産地消の商品開発など、会社、人、商品のPR、ブランディングを行われています。
「新しく取り組む「モノづくり」においては、市場調査→商品企画→試作→テスト販売→実践を踏んでいくことが必要。そして、こだわりを持って作った商品が出来上がったら、そのこだわり(味・特徴・生育状況等)をしっかりと把握し、消費者に伝えてほしい」と話されました。
実際に、福島県で取り組まれた事例の1つをご紹介します。
ある農園から依頼をうけ、2kg 700円で販売していたトマトに付加価値をつけ、ゴールデントマトという名前で販売開始。この時の価格はなんと『1個 2000円、1箱(2kg)10000円』とのことです。
このトマトの特徴は、通常のトマトに比べ、リコピンが10倍以上あると分析されており、土壌にこだわりつづけた、市場に出回っていないことが挙げられるようです。何かの「1番」になることが多くの方々に知ってもらえる。2番以降は知ってもらうことが難しいということも学ぶことができました。全国を飛び回る本部社長のもとには、あらゆる相談がきます。
補助金を活用した対応をしたり、バイヤーさんの求めている条件のために保険加入を案内したりと、販路まで結びつけた支援を行っていらっしゃいます。今回もお忙しいスケジュールの合間をぬって、講演いただきました。
第2部は、「アグリネットワーク」を開催し、2つのグループに分かれ、地元の農業を営んでいる方々や鹿児島県農業法人協会会員、金融機関などと一緒に意見交換を行いました。
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Aグループでは、自己紹介に併せ、雇用や法人化、B級品の取り扱いなど、課題点を挙げて話し合いました。抱えている問題に対し、生産者同士のアドバイスや、事務局サイドより参考事例を紹介しました。
その中でも6次産業化の課題に対し、いいことづくしに見える6次産業化ですが、成功している経営体は全国規模でも2%しかいない厳しい現実のこと、事業認定後、売上及び人材が伸びている経営体は全国的に10件程度しかないことを踏まえ、十分に情報収集を行ってから取り組んでほしいこと。「作れば売れる」「島外に出すコストがかかる、売れない」という考えの甘さを捨てること。
東日本大震災以降、東北のモノが売れなくなってしまったという現実は、生産者が起こした問題でもなく、自然的な二次災害による悲劇。島内だから・・・という考えは捨ててほしいですと講師でもある本部様よりお話しいただきました。
Bグループでも自己紹介ののち意見交換を行いました。
とくに、後継者や人材確保対策について話し合い、「これまでは地元雇用にこだわっていたが、なかなか人が集まらず、外国人
技能実習生も迎えることになった。実習生の勤勉な態度が従業員に良い影響を与えている」「法人経営であれば、必ずしも子供だけでなく、経営能力がある人材を経営者とすべき」などの意見が出されました。また、本年度より始まった新たな農地集積対策の基礎となる「人・農地プラン」の話し合いも話題となったが、沖永良部では遊休農地がほとんどなく、すでに50%ほどの農地が担い手に集積済みの現状にあるため、これ以上の農地集積が難しいことなどが話し合われました。
第3部は、池田社会保険労務士の池田 純子 氏による農業の労務管理指導を行いました。
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雇用にあたっては、口頭で契約を結ぶのではなく、「しっかりとした書面で結ぶ」かつ、直筆でのサイン、もしくは、押印をすることが大事という事例がありました。
翌日の現地視察では、島内の経営体があたたかく出迎えてくださいました。はじめに、会員でもある南国太陽農産(有)へ。
元栄建設より異業種参入され、南国太陽農産を立ち上げ、パパイヤや仏手柑の生産を行うのち、当社社長の奥様である元栄 教子様は、規格外や出荷できない商品をうまく活用したいと沖永良部独特の味と製法で、現在はパパイヤ漬け、仏手柑漬けを製造されています。当日は、美味しいお漬物をご準備いただきました。
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沖永良部きのこ(株)
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島独特な「島桑の葉」を乾燥させ、パウダー加工し、毎日の健康補助食品として販売されています。今後の若い方々に、作ったものをそのまま売るのではなく、付加価値をつけ、便利に使用できる加工に取り組んでいってもらいたいと 代表の脇田清一郎様はお話しされました。視察先の調整や、参加者の皆様への声掛けをしていただいた本会理事の(株)大豊 大山 茂豊代表取締役には、大変お世話になりました。日差しも強く、湿気も多い沖永良部島では、研修の内容だけではなく、島独特の手法、島人の絆、島全体の優しさを学ばせていただきました。一生懸命で前向きな農業者の皆さん、まだまだ暑い夏は続きますが、健康管理に気を付けて頑張っていきましょう!
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だいぶお久しぶりの更新となってしまった「今月の農業法人」です。
今回は、大崎町の元気な経営者を取材させていただきました。東海大学・海洋学部卒業の同級生3名が、脱サラし、鹿児島で農業に取り組むお話しです。現在は、主力のネギはハウス70棟(2.3ha)を3.5回転させ周年栽培、ダイコン53ha、キャベツ2haを露地栽培していらっしゃいます。
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大崎農園のハウス(一部) | 大崎農園の資材置き場の様子 |
同社を動かしていらっしゃる山下義仁代表取締役、中山清隆専務取締役、佐藤和彦取締役農場長は、大学の同級生。当日は、奇跡的に3名にお会いできました!共通の趣味であるサーフィンを通じ、意気投合された3名は、「一緒に仕事をしたい」「自分たちで物事も起こしたい」「何か挑戦したい」と脱サラされ、1997年大崎町で就農されました。
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【大崎農園の役員3名】 |
左から、中山専務取締役、山下代表取締役、佐藤取締役です。
実は、当時を振り返ると、必ず農業でなければならなかったわけではなく、当初は誰でもできるだろうと思い、農業を選択されたそうです。
しかも、これを機に中山専務取締役と佐藤取締役は、関東から鹿児島へいらっしゃいました。その当時、サーフィンができるからという軽い気持ちでいらっしゃったようですが、現在は田舎生活にも慣れ、毎日充実していらっしゃるようです。
実際に、農業をスタートされるにあたり、既に軌道に乗って経営を行っている農業法人からのアドバイスも受け、周年をとおして安定的な収入と雇用ができる栽培であること、また消費者から日常の生活で必要とされる安定した品目であること、農業が初めてでも取り組みやすく、収入まで長期を必要としない栽培期間が短い品目であることに目をつけ、「ねぎ」の生産を開始されました。
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周年栽培のねぎ |
最初の約半年間は契約農家として取り組まれましたが、平成10年、地元スーパーの「野菜買います」の広告を見て、直接出向き、初めての商談をされました。担当のバイヤーさんの対応もよく、県内全店舗に紹介いただき、このお付き合いは今でも続いているようで、今の同社の販路先開拓に向けた取り組みの1つとなっているようです。
現在の販路先は、全体では県内3~4割、九州をはじめ山口県、岡山県、岐阜県、関東地域など6~7割を占め、同社のネギは「浜っこネギ」いう商品で皆さまの食卓に、ダイコンは鹿児島や沖縄、関西の量販店や市場に青果物として、キャベツは6次産業化総合化事業計画を受け、国内リレー出荷に参画されています。
法人化され、現在の姿になるまで同社が大きく発展されている秘訣として、1社に固執した取引をせず、1社あたり10%前後を超えない取引を心がけること、家族経営の延長線での農業法人ではなく、他人である3名が集まり、様々な知識を出し合うことができた環境、3名の役員を含め、従業員のチームワークと役割分担ができていることが挙げられると思います。
山下社長は、「特別なこと、新しいことは何もしていない。人が取り組まないようなこと、面倒くさいと感じることを率先して取り組んできたのが現在に至っている。契約を安定させるために、少しずつ規模拡大を行ってきた」とおっしゃいます。同社は、平成15年頃にK-GAPを、平成26年2月にはG-GAPを取り入れ、会社の取り組みを向上させることで、お客様に還元できるように心がけていらっしゃいます。
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G-GAP認証 |
品質や数量、安定感、クレーム、歩留まりなどお客様のことをしっかりと勉強し、求められているものを作ることで、現在の根強い取引が築けているのだと感じました。同社の1番自慢できるものは「スタッフすなわち人材だ」と役員3名口をあわせておっしゃいます。
現在、先ほどご紹介した役員3名の他、正社員22名、パート2名、外国人技能実習生6名、内職50名がいらっしゃいます。
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更なる改善に向けての現場打ち合わせの様子 |
今後も雇用は増やしていきたい考えを持たれており、「農業をやってみたい!作業に対し、一生懸命でやる気のある方、県内外問わず、男女問わず募集します!」とのことでした。同社には、学校を卒業したばかりの若い方や、農業外からの就職など働かれている方は様々です。農業を知らない方々に「勘」「感覚」「経験」が必要な農作業を指導し、伝えていくことはなかなか簡単なことではありません。
同社では、自分たちの農業を伝え、情報を共有するために、農業経営の「見える化」に取り組んでおられます。衛生管理や応急処置の教育、農作業マニュアルや生産工程管理・作業時間管理などを作成し、社員教育にも力をいれ、生産性の向上に努めていらっしゃいます。
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作業用具の管理 | 作業用具の管理 |
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作業中の注意事項 |
現在、トップダウン式のスケジュールを作成し、他の従業員に指示を出すように取り組んでいらっしゃいますが、1人1人の従業員レベルアップを目指すのであれば管理者+責任者+作業員として分業していくべきか現在検討中とのことでした。
何時にどこで誰が何の作業をしているのか、雨の日の作業は何をするのか、スケジュールはしっかりと準備されています。
また、従業員1人1人の苦手とする作業、得意とする作業を聞き、皆さんが作業をしやすい環境も整備されています。
一方、従業員の方々は、仕事終了後の話の中で、今日の反省点や明日の作業のアドバイスをしてもらうことで助かっていたり、目に見えない余裕があると感じていたり、厳しさの中の優しさがあるから頑張れると、山下社長についていきたいという方ばかりでした。
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事務所内の様子 | 事務所内の様子 |
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事務所内の様子】 |
今後に向けて、新たなマーケットも視野に入れていらっしゃいました。平成24年頃から、国内商社の依頼を受け、中山専務取締役は、農作業の指導員としてマレーシアに年間作業計画から作業方法などを教えに行かれていました。
カボチャやオクラ、中国野菜などの生産をしつつ、アジアで販売されている価格や、持たれているイメージなども勉強できる機会になられたようで、日本人の信頼されているイメージを大事にし、「安心・安全かつ品質の良い野菜」を届けられるよう、流通単価を勉強し、アメリカの農業に勝てるシステムを作りたいとおっしゃいます。
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【元気な3名。ありがとうございました】 |
これからも、更なる発展に向けて、取り組まれる大崎農園を応援しています!
大崎農園の原点「ものづくり」はもちろん、会社づくり、人づくりにも一生懸命な3名からのお話しは農業パワーを感じるものでした。
お忙しい中にもかかわらず、あたたかく迎えてくださり、ありがとうございました!!
さて、農業世界では当たり前に言われている「農業法人」。業種が違うと、一般の方々には「農業法人ってなに?農家さんとどう違うの?」とよく言われます。次回は、農業法人について取り上げたいと思います。
(有)大崎農園についてもっと知りたい方はこちら。
平成26年5月16日(金)、鹿児島県農業法人協会の第18回定例総会が行われ、54社86名にご参加いただき、平成25年度事業実績及び収支決算、平成26年度事業計画(案)及び収支予算(案)、平成26年度の会費額ならびに納入方法(案)について、全て原案どおり承認されました。
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総会の様子 |
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鹿児島県農業法人協会 会長 古川 拡 氏 |
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議長を行う石松氏 |
本年度の議長は、若手を代表し、(農)南州農場の石松 光 氏によって進められました。新鮮味のあるスムーズな進行、大役お疲れ様でした!
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監査報告を行う小川氏 |
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新規会員のあいさつ |
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来賓あいさつ 県農政部長 福田氏 |
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来賓あいさつ (公社)日本農業法人協会 専務理事 市原氏 |
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来賓の方々 |
総会の中で決議された4度目のビッグイベント「農業法人ファーマーズマーケット」は、本年度は平成26年11月29日(土)・30日(日)と少し寒さを感じる時期に開催が決まりました!実行委員会も立ち上がり、イベント企画に向けて、着々と進んでいます。多くの皆様のご出店で会場を一緒に盛り上げていきましょう!!
農業法人ファーマーズマーケットについてはフェイスブックをご参照ください。
https://www.facebook.com/farmersmarket.kagoshima
さらに、宮崎・沖縄と一緒に取り組んでいる3県農業法人トップセミナーは、本年度は鹿児島県の担当です。北薩地域にて研修会を行う予定です。3県の交流を図り、様々な業態の方々との意見交換を通し、充実あるトップセミナーとなるよう開催します。
さて、例年、定例総会に併せて開催している春季農業法人経営トップセミナーでは、本年度も131名というたくさんの方にご参加いただき、満足していただけたようです。
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参加者の様子 |
内容は、①(株)モンテローザ 商品部 副本部長 山内 勝也 氏をお招きし「山内農場の事業展開と食材」、②農林水産省 経営局経営対策課 経営専門職(農業法人・経営新政策グループ担当)加治屋 大介 氏をお招きし「今後の農業施策について」、③(株)サンカネットワーク 山本 哲哉 氏より「ボラバイトについて」の3本立てで行いました。
~①山内農場の事業展開と食材について~
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(株)モンテローザ 山内 氏 |
現在、外食事業の白木屋、魚民など30業態、総店舗数2000店を超えている(株)モンテローザですが、その中の1つである「山内農場」では、鹿児島県の本物の味を、より安く提供することを使命とした生産者直結店舗の居酒屋です。
「居酒屋=安い」のイメージを変え、プチ贅沢な居酒屋として、鹿児島の食材を全国に向け、発信していらっしゃる山内様より、生産者への感謝の気持ちと今後の事業展開におけるお願いについて講演いただきました。
「山内農場といえば、まずは地鶏」ですが、その中の1つ「黒さつま鶏」は、オープン当時の「運命の出会い」から始まり、現在の山内農場の店舗展開できた姿があるとおっしゃいます。「黒さつま鶏」が欲しいと1つ1つの鹿児島県の農家さんを周り、断られ、たどり着いたのが当協会会員でもある(有)ヤブサメファームでした。鏑流馬社長の「できないこともないよ!」のお返事がいただけたことで、1号店の天文館本店をオープンして、各地への店舗展開を図ることができ、人との出会いが店舗展開の手助けとなっているようでした。
鹿児島県のことをもっともっと多くの方々に発信していこうとする山内農場の取組みに対し、生産者として外食産業の運営や考え方、事業展開などを理解できたという声が多く、生産者として、今後の提案活動に活用していきたいという意見もありました。
~②今後の農業施策について~
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農林水産省 加治屋 氏 |
今後の様々な農業施策をご紹介をいただき、活用していきたい、しっかり勉強して行政とともに実施したい、新しい施策の内容が理解できたなど、国が農業に対し、取り組んでいる内容を直接説明いただき、生産者の皆様も分かりやすかったという声が多かったです。
~③ボラバイトについて~
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(株)サンカネットワーク 山本 氏 |
ボランティア+アルバイトの造語「ボラバイト」の仕組みや、新しい人材確保についてご説明いただき、農業に興味を持つ若者などとつながりをもてる取り組みに興味を持たれる方が多かったです。
生産者として、外食産業や消費者に近い業態の方々のお話しは、今後の商品づくりなどの参考になるという意見もいただきましたので、今後も食に関わる業態の研修会は取り込んでいこうと考えています。その他にも、新しい、強い農業づくりの農業施策や雇用、輸出、6次産業化などの研修も行っていきます!
鹿児島県農業法人協会は、現在日本一の会員数を誇っていますが、本県目標は200社です。あと約50社の農業法人の方々と一緒に、鹿児島県農業の活性化、地域貢献など取り組んでいきたいと考えております。会員の皆様の周りで、ユニークな取り組みをされている方、生産、加工品、販路拡大など一生懸命取り組んでいる方、異業種の方々と交流を拡げ、事業拡大を行いたいと考えている方など、農業に対し前向きな方がいらっしゃいましたら、是非、当協会への加入をおすすめしてください!!
最後に、出席いただきました講師、来賓の皆様方をはじめ、会員の皆様、事務局連絡会の皆様、また農の雇用事業を活用している農業法人の皆様など、お忙しい中にも関わらず、有意義な時間をありがとうございました。
皆様方の益々の発展を祈念いたします。本年度も宜しくお願いいたします。
平成26年3月13日(木)~14日(金)に、沖縄県宮古島東急リゾートで開催された宮崎・鹿児島・沖縄3県農業法人トップセミナー。沖縄には何度か行ったことがあるけど、宮古島は初めてという方々も多く、なんと鹿児島県からは過去最多の31名が参加。事務局としても、こんなに多くの方々に参加していただけるとは思ってもおらず、驚きました。参加法人は、(株)オキス、(有)香花園、(有)コセンファーム、清水園芸(株)、(株)シンコーフォークリフト、(有)鶴の郷ファーム、(農)南州農場、日建リース工業(株)、(株)南九州沖縄クボタ、(株)日本政策金融公庫、県農業・農村振興協会、県農業会議でした。
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沖縄県農業法人協会 山川 良勝会長 |
3県農業法人トップセミナーは、宮崎・鹿児島・沖縄3県が持ち回りで担当をしているのですが、今年度は沖縄県が計画、取りまとめなど準備をしてくださいました。沖縄県農業法人協会 山川良勝会長のお出迎えのもと、開会しました。
初日は、基調講演とパネルディスカッション、懇親会のスケジュールでした。
基調講演≫
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講師の 都築 富士男 氏 | 会場の様子 |
基調講演では、(株)都築経営研究所 代表取締役 都築 富士男 氏より「これからの農業(企業)経営と地域活性化について」、食糧・農業・流通を取り巻く環境の変化から、これからの地域活性化の重要性などに分けて講演いただきました。
以前、スーパーマーケット・ダイエーに従事されていたことや、コンビニエンスストア・ローソンの代表取締役を就任されていたこともあり、いかにしてお客様を満足させられるか、どのようにしてニーズに応えるか、拡大しつつある客層などの詳しい情報やデータを公表いただき、流通やマーケティングについても、参加者の皆様、大変勉強になったようでした。
今後、生き残っていくために必要な経営者としての条件は、①情報収集力 ②洞察力 ③意志決定力 ④リーダー力 を持った世の中の様々な変化に対応できる者だということでした。今後、地域の主役はますます第1次産業や中小企業になっていく中、雇用を生み出し、地域活性化を図り、担い手を増やしていかなければならならいと、改めて勉強になりました。
パネルディスカッション≫
パネルディスカッションでは、「農業法人の経営発展と地域農業の活性化について」をテーマとし、宮崎、鹿児島、沖縄から1名ずつパネラーが選抜されました。
宮崎県より、(有)新福青果 係長 新福 朗 氏。
鹿児島県より、(株)オキス 代表取締役 岡本 孝志 氏。
沖縄県より、(有)大嶺ファーム 代表取締役 上地 登 氏。
農政ジャーナリストの内藤 欽一郎 氏のコーディネートのもと進められました。
各社の会社組織としての取り組みと、地域一体としての活動を紹介いただきました。
各社、TPPや輸出、耕作放棄地、雇用、流通など世の中の状況をしっかり把握し、個々の課題に対し、促進する取り組みをされていました。
例えば、鹿児島県より登壇された(株)オキス 岡本社長は、「国内のマーケットが飽きやすい性質にあることから、ヒット商品を生み出してもすぐに衰退してします。ただし、視点を変え、海外への輸出に目を向けてみると、日本ブランドや未開発商品などとして海外市場ではまだまだチャンスが拡がっている」と考えていらっしゃいます。そして、岡本社長は「『餅は餅屋』というように、何事もそれぞれの専門家がいるので、任せるのがいちばん良い」とおっしゃいます。輸出に関しても、自分で全てを抱え込むのではなく、商社と一緒に取り組んでいるようです。
今後、異業種の業界を含めた交流を図り、連携していくことから、多くの情報やヒントを得ることができるのではないかと思います。
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パネラーの方々 | コーディネーターと助言者のお二人 |
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当協会 古川 拡会長 | 当協会 清水克己顧問と講師の都築社長 |
翌日は、現地視察になっており、まいぱり宮古島熱帯果樹園、(有)大嶺ファーム・観光農園ユートピアファーム宮古島を視察してきました。
まいぱり宮古島熱帯果樹園≫
東京急行電鉄(株)と宮古観光開発(株)が平成25年11月17日に開業した「与那覇前浜の畑」という意味の観光農園の視察では、約6haの敷地にパイナップルやバナナ畑、熱帯原産の珍しい果樹や花木などが植えられており、ガイド付きカートで約30分周遊できるというものでした。また、施設内には、収穫した果物を使って作ったアイスクリームやジュースなども販売されており、カートに乗って、「見て」「触れて」「味わう」トロピカルなガイドツアーとして、観光客にも人気のようです。
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カートに乗って園内一周! | ハイテクな機能に驚きました! |
(有)大嶺ファーム・観光農園ユートピアファーム宮古島≫
前日のパネルディスカッションで説明いただいた内容を、現場に行き、実際見ることができました。
平成4年、長年の農業経営から法人化を図り、(有)農業生産法人大嶺ファームを設立し本格的にマンゴー生産を始められ、有機農法に取り組んでいらっしゃいます。平成13年、ユートピアファーム宮古島を開設し、マンゴーやバナナ、パッションフルーツなどの熱帯果樹とブーゲンビリアやハイビスカス等の観光農園、生産された果実の販売や果実デザートを提供するパーラー店の経営で、地域資源を活かした農園づくりに励んでいらっしゃいます。
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上地 登 代表取締役 | ハウス内のブーゲンビリア |
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生産品目のひとつ島バナナ | 元気な大きなハイビスカス |
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色とりどりのブーゲンビリアがありました! | ハイビスカスも種類多様! |
前日のパネルディスカッションで、「花を見せて、マンゴーを売る」とおっしゃっていたように、園内は色とりどりのきれいな花で満ち溢れていました。そんな上地社長、実はマンゴーを売る仕組みを考えずにマンゴーを生産してしまい、「おいしいマンゴーはできたが、どうやって販売しよう?」という状態に陥ったこともありました。しかし、これが当たりました!なんと、庭先で安く販売されたところ、地元の方から多くの方々に拡がり、販路が見つかっていったとのことでした。現在は、美味しさと綺麗さが口コミで広がり、観光雑誌などにも取り上げられ、観光農園の入園者は、平成14年には8000名だったのに対し、平成16年には20000名と年々増加しているようです。
今回の研修中で、宮古島の特徴も勉強になりました。その中の1つを紹介しますと、宮古島はサンゴ礁が隆起してできた島で「非常に水に乏しい島」として位置付けられていたようです。
これに対し、昭和49年度から地下ダム建設の技術開発を目的とした調査を開始し、昭和54年3月に総貯水70万トンの地下ダムが完成しました。それまで雨水は直ちに土壌面から浸透して地下水となり海へ流れ出ていたのですが、地下でせきとめて利用できるようにし、降雨量の40%が地下水となることで、現在は、豊富な地下水が供給されているとのことでした。
地下水は琉球石灰岩の中を流れているため、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が多く含まれており、安定した農業用水源の確保を図り、農業経営の安定と近代化が実現されています。土地それぞれにおいての課題点や取り組み方、現地に出向き学ぶことも多い研修でした。
沖縄県農業法人協会会長をはじめ、事務局の方々、準備から当日の運営、取りまとめなどお疲れ様でした。有意義な研修を行っていただき、ありがとうございました。
さて、来年の3県トップセミナーは鹿児島県の担当となっております。日程、場所、内容などまだ検討中ですが、少しでも多くの皆様に魅力を感じてもらえる2日間の研修をつくっていきます!是非、ご参加ください。
平成26年2月27日(木)~28(金)にかけて取り組んだ本年度2回目の6次産業化県外視察研修は、和歌山県にいってきました。
今回は、(有)かごしま有機生産組合より福元 飛勇真 農産管理課長、吉原 陵平 喜入農場長、(有)藤井養鶏場より藤井 孝之 代表取締役、県農業・農村振興協会より平 繁人推進員、事務局より白石の5名でした。
(株)早和果樹園≫
鹿児島空港から関西国際空港まで移動し、レンタカーで約1時間半。初日は、2年前の食と農を結ぶ交流フォーラムでご講演いただいたことをご縁に、(株)早和果樹園にお邪魔させていただきました。
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皆さん、秋竹 新吾 代表取締役の持つ考えと感性に惹きこまれていました。
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秋竹 新吾 代表取締役 |
段々畑で作られ、440年の歴史を持つ「有田みかん」を直営6ha及び構成員(7戸)16haで生産、加工し、年商6億円超、従業員数40名(役員・正社員30名、常勤パート10名)を雇用される農業法人。
売上の7割以上は加工品で占めており、売り方は、ネット販売、自社直売所、物産展やイベントなどの出展の他、有名百貨店や一流ホテルへの卸などということでした。秘訣の1つとして、必ず社員自らが出向き試飲販売。「買わなくてもいいから飲んで知ってもらおう」「おいしさの中身を知ってもらおう」「価格のお手頃感や商品の感想を聞こう」というために取り組んでいるもので、年間約65万人の試飲があるようです。
株)早和果樹園の加工の特徴は、糖度12度以上のみかんの皮をむいて裏ごしする絞り方で世界でも珍しい「チョッパー・パルパーしぼり」。皮独特の苦みもなく、みかんがそのまま詰まったような、有名人にも取り上げられるほど美味しいみかんジュースです。1年に1アイテムずつ生み出している加工品は、商品開発において、従業員皆様で味見や意見交換を行われているとのことでした。さらに、試食提供を行う商品の順番も考えていらっしゃいました。
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試食用でだされた加工品(一部) |
みかんジュースは、品種や量、こだわりにより、380円(200ml)~3240円(500ml)まで多様化しておられ、購入されるお客様の層も幅広くなっています。
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写真は、消費税5%時のもの |
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たくさん並ぶ商品の数々 | 新商品の「てまりみかん」 は贅沢な逸品 |
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秋竹社長と一緒に! |
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(株)きてら、(株)ガルテン≫
白浜から秋津野へ車を走らせ、約30分。2日目の研修先の1カ所目は、(株)きてら、(株)ガルテンで、玉井 常貴 副代表取締役にご対応ただきました。
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玉井 常貴 副代表取締役 | 小学生に戻ったような気持ちになる研修 |
(株)きてらと(株)ガルテン、2つのビジネスを合わせて地域全体の6次産業化を担っていらっしゃいました。玉井副社長は、46歳で脱サラし、農家及び地域住民の出資で和歌山県方言の「きてください」を由来とした直売所「きてら」を平成11年設立され、地域経済活動と地域づくりへの挑戦が始まりました。地域資源をどう活かすか、なかでも人材・組織・産業である農業の認知度アップ・歴史に注目し、身の丈にあったビジネスを積み上げていく積み上げ方式でコミュニティビジネスを取り組んでおられます。そんな「きてら」は、20坪で年間約1億円の売り上げを誇る直売所です。地域で生産したものを自分たちで売ることを心がけ、春・夏・冬に販売される「きてらセット」は、人気商品の1つ。柑橘数種類と加工品の詰め合わせで、リピート客やギフト用などに購入いただき、地域づくり活動の自信に変わったようです。
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直売所きてら | 店内の様子 |
後に、小学校移転に伴う木造校舎を利用した食育(食農)教育事業、貸し農園事業、農家レストラン事業、オーナー樹(園)事業、田舎暮らし支援事業、地域づくり研修受け入れ事業等を行う(株)ガルテンを設立され、年間の利用者数は約60,000名とのことでした。
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秋津野ガルテン | 旧校舎を活用した社内の様子 |
昼食もいただきましたが、平日にも関わらずお客様も多く、地元の野菜や旬の山菜を使った地元のお母さんたちが作るようなスローフードレストランで、まるで田舎の親戚の家に遊びに来たような気分に浸ることができました。
(有)農園紀の国≫
最後の研修先は、御坊市にある(有)農園紀の国。田中 雅文 代表取締役にご対応いただきました。
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田中 雅文 代表取締役 |
到着すると、いちごの甘い香りが漂っており、観光客や地元の方などがいちご狩りにこられていました。
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直売所 紀の国 | ハウス内の様子 |
(有)農園紀の国では、いちご、メロン、トマト等の観光農園と、スターチスやカスミソウの花の生産を行っておられます。
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さちのか・あきひめ・まりひめの3種のいちご | スターチスのハウス栽培 |
御坊市の特徴として、農地が少なく、収益を上げる農業として施設栽培が多いとのことでした。現在、6次産業化に向けても実践、研究中で、果樹を使ったジャムやドライフルーツなど、今後は、シーズン以外でもフルーツを楽しめる商品づくりに取り組んでいかれるようです。観光農園のハウス内は、子供からお年寄りまで楽しめるよう、バリアフリー設計となっており、安心して楽しめるスペースとなっていました。旅行業者とも連携し、香港や韓国などからの旅行者や団体ツアーの方々など受け入れ、さらには、4月19日(土)・26日(土)には、春の夜空の下のいちご狩りを楽しむ「ライトアップいちご園」を開催されるとのことです。たくさんのお客様の笑顔のために、美味しいいちごを今日も作っていらっしゃる田中社長。いちごも品種により、甘み・酸味が1つ1つ違い、摘みたてのいちごは、なおさら美味しかったです。近場の方、観光で行かれる方、是非、行ってみてください。
各社の詳細についてはホームページをご覧ください。
・(株)早和果樹園 http://sowakajuen.com/
・(株)きてら http://www.kiteraga.com/index.html
・(株)がるでん http://agarten.jp/
・(有)農園紀の国 http://www.kinokunikko.com/
お忙しい時期にも関わらず、時間を割いて、研修をおこなってくださった各社の皆様方ありがとうございました。また、ご紹介いただきました(公社)日本農業法人協会、和歌山県農業法人協会の方々、充実した研修を行うことができ、感謝申し上げます。
今回の研修でも、参加者皆さん大変満足していただいたようで、次の研修はどこかと楽しみにしていますという声もいただきました。他県や他社の取組みを知って、我が社の課題点や改善点を見つけること、6次産業化にはいろいろな形があること、各県の農業法人協会のネットワークを活用し仲間を増やすことなどを目的として行っている県外視察研修。来年以降も取り組んでいきたいと考えております。
平成26年2月20日(木)~21日(金)にかけて大阪府 ATCトレードセンターで開催された(株)日本政策金融公庫主催のアグリフードEXPO2014大阪に、鹿児島県より25社出展、今回も鹿児島県農業法人協会ブースを設け、(有)コセンファーム、(有)下窪勲製茶、(株)ひまわり農苑、西ノ原園芸の4社が共同出展しました。
来場者数13,860名(20日 6,962名、21日 6,898名)と、会場全体、大変賑わいました。
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開会式の様子 | 会場の様子 |
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鹿児島県農業法人協会ブースの様子 |
当協会ブースの出展者の皆様をご紹介します。西ノ原園芸の西ノ原敏男さんは、自慢である糖度18度以上の敏ちゃんカボチャを使用したアイスクリームとペーストを出品し、商談に挑みました。自ら、ブースに訪問されたバイヤーをA, AA, AAAとランク付けし、今後の対応を調整するという方法をとられ、生産者側もお客様を選ぶことができる可能性を感じることができました。アイスクリームは通販会社、ペーストはお菓子業者へのニーズが高く、最初はかぼちゃのアイス!?と想像がつかなかった方が、実際口にして美味しかったという声が聞こえてきたようです。。今回の商談に対し、好調な様子でした。
西ノ原さんは商談時も変わらず「バリバリの鹿児島弁」でお話しされますが、「それでも一生懸命理解しようとするバイヤーさんは本気で向かいあってくれると感じる」とおっしゃいます。確かに、作業服、鹿児島弁に惹かれてブースに立ち寄るバイヤーさんも多かったです!
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まるで西ノ原セミナーのようです! | こってり鹿児島弁での商品アピール |
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商談の手ごたえバッチリ!! |
(株)ひまわり農苑では、ゴーヤとしょうがの佃煮、しょうがの砂糖漬けを出展し、お米屋さんとの商談がうまくいく様子でした。ゴーヤの佃煮においてはゴーヤ独特の苦みを抜き、食べやすく仕上げた味となりました。全体的に鹿児島らしいの甘めの味付けでしたが、関西地区のバイヤーさんにも受け入れられていた様です。担当されている横山さんは、「今回、九州外へ向けた商談会への出展は初めてだった。試食や量、デザインなどの勉強にもなり、バイヤーさんの声を活かした商品づくりや売り方を取り組んでいく」と今後の6次産業化のヒントと課題点を見つけられた様子でした。
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きくっ茶の試飲と説明をバイヤーさんに。 | こちらが商品です! |
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外国人も興味があったようです。 |
(有)コセンファームでは、キャベツと関連会社の北薩漬物のお漬物を出展し、お漬物として食べるだけではなく、毎日の食卓でのお野菜として食べてもらいたいという気持ちを込めて「毎日食べたい発酵食品」いうキャッチフレーズで、お漬物の概念を外した商品で商談に臨みました。今まで、試食提供を行ってきたが、今回の商談会では、お漬物のサンプル品を差し上げ、持ち帰っていただき、後日アンケートをいただくやり方で取り組まれました。日本国内でも地域によって、味付けや必要としている条件なども違う中、少しでも多くの方々の声を回収できる機会ともなりました。
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新鮮で出来も良いキャベツと絶賛。 | バイヤーさんの話を熱心に聞いてます! |
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外国人の方もお越しくださいました! |
(有)下窪勲製茶は、商談会への出展も回数を重ね、商品の見せ方やパッケージデザインにもこだわり、今回は輸出に向けての商談も進んだようです。外国人から見ても、日本茶=安心・安全・健康というイメージが強く、輸出に向いている商品の1つとのことを、バイヤーさんから学びました。出展されていた下窪さんは、「もっと日本茶を、いや鹿児島茶を、その中でも頴娃茶を知ってもらい、手軽に外出先でも飲めるような携帯用を作ろう」という発想で商品づくりに励んでいらっしゃいました。
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レイアウトも年々スキルアップ。 | 鹿児島の、頴娃のお茶の特徴を説明中 |
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鹿児島のお茶はいかがでしょうか? |
『出展回数を重ねるにあたり、PR方法や商品の展示方法等、勉強になることが多く、コツを掴んできた』『バイヤーさんの識別が分かりにくかったこともあり、商談したいバイヤーさんの業種へのアタックがなかなかできなかった。』という出展者の声も多く、改善点はまだありますが、今後の発展も楽しみです
。その他、鹿児島県から8社・団体が出展し、過去最大の総数25社の商品で会場を賑わせました。中でも、アネット(有) 尾曲 修二 会長が率いる「おおすみ名人会」では、大隅半島の資源を活かした特産品や農産物を詰めたギフト用の商品を公開されていました。思わず手に取りたくなる明るいカラーのデザインを手がけたのは、鹿屋市 やねだんの方にお願いしたとのことでした。
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※やねだんとは、鹿児島県の大隅半島にある鹿屋市の柳谷集落、通称「やねだん」。約120戸、280人の小さな集落の「過疎高齢化」の地域だったが、柳谷集落がめざしたのは「行政に頼らない地域再生」。集落総参加で労力や経験を提供しあい、商品開発で自主財源を増やし、住民の工夫で福祉や教育も自ら充実させていった集落のこと。
バイヤーさんからも、鹿児島フェアや特集をする際には、是非使いたい!デザインも、いい物を少しずつという女性が購入したくなる商品で、こだわりを感じられる。という声があがっていました。
数多くの出展ブースが並ぶ中、バイヤーさんの目にとまるよう、努力することは、その奥にあるお客様に手に取ってもらえる商品ということ。簡単なようですごく難しい事です。日々、新商品が生まれている中、どんなに美味しくても、どんなに健康に良くても、商品に目がとまり、手にとって、購入していただかないと始まらないのが現実です。例えば、和歌山県で出展されていた(株)早和果樹園では、有田みかん、こだわりぬいた味一みかんを使用したみかんのジュースを商材とした商談をおこなっていらっしゃいましたが、使用している容器がパックや缶、ペットボトルではなく、ビンということも1つのこだわりでした。商品の味や色を変えない容器としてなど理性的に選びつつ、パックで飲む牛乳より、温泉あがりなどの瓶入りの牛乳は尚更おいしいという感覚もとらえ、みかんのジュースが生まれているのだと1つの商品を売り出すにあたり、あの手この手の味の割合や、デザイン、価格など、とことんこだわりぬいたモノであることを身に感じることができました。
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早和果樹園の商品一部 |
出展された皆様方は、準備から出展、その後の対応までお疲れ様でした。2日間、立ちっぱなしは腰にも足にも疲労感がくると思いますが、頑張っただけの成果がでるものであって欲しいと思います。
例年の恒例行事となってきている県外商談会ですが、平成26年度もまだまだ積極的に取り組んでいく予定です。参加されたことがない方の挑戦をサポートいたします。お気軽にお問合せください。
平成25年10月24日(木)に鹿児島サンロイヤルホテルで開催した「農業法人について語る会2013」。約100名の方々にご参加いただき、経営課題についての意見交換、課題解決のヒントを探りました。また、異業種の発想法を通じて、経営・生産技術などの課題について研修会を行いました。
今回、アグリネットワークと経営セミナーの2本立ての研修会を行いました。アグリネットワークについては、初めての試みで、農業法人向けの支援・サービスで県内外の農業法人をサポートする賛助会員の方々からご紹介、発表いただきました。年々、農業に関するITや保険、機械リース、食品企業等を事業の1つとする賛助会員が増えており、農業法人側より、もっと深く話を聞いてみたいという声があがったことが今回開催のきっかけの1つでした。会場を、生産に係るものと加工・販売に係るものの2つに分け、全部で11社からの情報提供がありました。
※詳細はこちら。
短い時間ではありましたが、チラシやパンフレットだけではなく、実際の動画を見ることもでき、参加者も満足しているようでした。アグリネットワーク終了後、農林中央金庫との共催で行った「経営セミナー」。
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農林中央金庫 鹿児島推進室 府馬和英 室長 |
講師に、元・日本ゼネラルモーターズ(株) 代表取締役社長 佐藤 満 氏をお招きし、とても充実した研修を行うことができました。
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講師の佐藤 満 氏 |
業種は違っても、経営の将来設定、世間の状況予測、情報収集、社長の器の大きさ、人材育成、購入意欲の高め方、会社のPR方法など、多くの共通点があり、参加者それぞれの境遇で意識を高められるものでした。
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講演会の様子 |
国産自動車メーカーの一社員からドイツ、アメリカの大手自動車メーカーの法人社長を歴任した佐藤様ですが、苦しいとき、人生の岐路に立たされたとき、成功のヒントを与えてくれた言葉を書き留めたものを本にした「社長の手帳」シリーズがあります。その中の言葉もたくさん紹介してくださいました。お話しされることすべてが意識高まる講話でしたが、最後に「ブランドがお客様を選別できないのはおかしい」と、自社商品は、どのような層をターゲットとし、売っていきたいのか。を考え、前金で値下げを言わないお客様を選ぶことが、自社ブランドの意味を持つのではないかという話をされました。「その為には、商品だけの知識ではなく、世の中で求められているもの、変化、情報をタイムリーに知るための「考動」をしないと自社商品のPRができなくなる。」ということでしたが、企業の寿命30年と言われている中、経営には常に「考動」が必要だと感じます。
今回、佐藤様の講演を聴きたいと参加していただく方も多く、「何度聞いても、意欲を高められる」という声もいただきました。現在は、全国で講演活動を行っているそうです。皆様も機会があれば、是非、ご清聴ください。
3度目の開催となった農業法人ファーマーズマーケット2013は、平成25年11月9日(土)・10日(日)に鹿児島市 ドルフィンポート前広場 ウォーターフロントパークで開催され、2日間で約1万4千名の方にご来場いただきました。お馴染みとなったミニトマトすくいや野菜スタンプ、農業クイズラリー、ふわふわなども例年どおり盛り上がりました。
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ミニトマトすくいは1日400個準備! | 野菜スタンプでオリジナルのエコバッグを♪ |
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クイズラリーは全部で30問!! | 大人気のふわふわ |
本年度、新しく企画した「原木しいたけ収穫体験」は、子供たちにしいたけの成長の姿を見てもらいたい、原木しいたけの美味しさを知ってもらいたいという想いから生まれた企画です。
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原木しいたけの様子 | ご購入ありがとうございます! |
自宅に持ち帰り、どのような環境で、どのくらいのしいたけが実っているのか気になるところです!!
本年度のスタートは、薩摩剣士隼人にも参加いただき、開会セレモニー&テープカットを行い、(有)ノガミ産業に黒豚溶岩焼きを100名様にふるまいを行いました!
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開会セレモニーの様子 | 黒豚溶岩焼き 先着100名様も行列! |
本年度の出店者はというと、41社45ブースの参加をいただきました。野菜やお茶、観葉植物などの物販コーナーに24社26ブース、うどんや焼き物、揚げ物などの飲食コーナーに17社19ブースが会場を賑わせました。当日は、農業法人のみならず、水産加工や農産加工の方々、飲食店なども出店いただきました。
また、1日2回設けた農業法人PRでは、各社、商品アピールやタイムセールなどを行い、多くのお客様にこだわりや生産者の想いが伝わっていたようでした。
11月9日のPR(一部紹介)
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(有)ヘンタ製茶 | (有)鹿児島マルサン農産加工 |
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(農)南州農場 | (有)清木場果樹園 |
11月10日のPR(一部紹介)
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(株)オキス | (株)浜口微生物研究所 |
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(有)小田畜産 | (株)寿福産業 |
商品販売にあわせて、今年のステージを盛り上げていただいたのは、薩摩剣士隼人とディスティニーブラザーズ!今年も子供たちや若い女性を虜にする薩摩剣士隼人でした。ディスティニーブラザーズは、鹿児島の民謡や昭和歌謡、童謡など皆さんがご存知の音楽を中心に、トークと交えて会場の雰囲気を明るくしていただきました。その他、琉球國祭り太鼓や蒲生郷太鼓坊主、ハワイアン・フラも会場に素敵な音色とダンスを届けてくださいました。
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薩摩剣士隼人ショー | ディスティニーブラザーズショー |
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ディスティニーブラザーズCD販売 | 琉球國祭り太鼓 |
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蒲生郷太鼓坊主 | ハワイアン・フラ |
今年は、野菜ソムリエトークショーを実施しました。県経済農業協同組合連合会 野菜振興課の谷口梨真さんのご協力をいただき、かぼちゃを使ったレシピ紹介と、実際にステージでの調理を行いました。当日は、子供たちにもお手伝いをいただき、美味しい「かぼちゃ蒸しパン」が完成しましたよ。
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ステージでの実演クッキング | 完成したかぼちゃ蒸しパン |
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実行委員会の様子 |
本年度の運営委員のご紹介♪
運営委員長:(有)ファームランド豊 松下 寛和 氏
副運営委委員長:(有)小田畜産 蜜澤 彰宏 氏
副運営委員長:(有)錦江ファーム 町永 早苗 氏
(有)香花園 李 冬 氏、出口 智章 氏
(有)下窪勲製茶 下窪 健一郎 氏
(有)川薩ファーム 北野 まきよ 氏
(有)コセンファーム 大城 勝司 氏
(有)ライス郷井手口 井手口 正昭 氏
(有)サンフィールズ 久木田 瑞代 氏
(農)ねじめ農園 肥後 玄十 氏
(農)南州農場 石松 光 氏
イベントの成功は、出店者の皆様、運営に携わっていただいた事務局連絡会構成機関・団体の皆様、MCの福元ゆみ様をはじめ、ステージやイベントにご出演いただいた方々、そして本イベントにご協賛いただきました企業・団体の皆様、ご来場いただいた方々、たくさんの方々のお蔭です。改めてありがとうございました。
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このような形で、無事、イベントを開催することができました。今回のキャッチフレーズ「笑顔を生み出す農業パワー」は、お越しいただいた方々、県民の方々、そして出店者の皆さまにお届けできましたでしょうか。これからも、イベント内容の充実と、鹿児島県農業法人協会の発展を追求していきたいと思っています。皆様のご協力、ご支援、引き続きよろしくお願いいたします。
過去の農業法人ファーマーズマーケットについては以下をご覧ください。
農業法人ファーマーズマーケット2011http://kagoshima-agri.jp/blog/1126.html
農業法人ファーマーズマーケット2012http://kagoshima-agri.jp/blog/2012_1.html
いつもお世話になっております。
本日、事務局は御用納めで、明日から5日までお休みをいただきます。
本年も、会員及び事務局連絡会構成機関・団体の皆さまを始め、関係機関・団体の方々に支えられ、有意義な活動に取り組めました。
現在、鹿児島県農業法人協会正会員は97社、賛助会員は46社となっております。
本年も、自主研修会や関係機関と合同で行った研修会をはじめ、鹿児島市で開催した農業法人ファーマーズマーケット2013など、例年どおり活発的な活動に取り組むことができました。
年を明けると、食と農を結ぶ交流フォーラム、農業法人について語る会、3県合同農業法人トップセミナー(沖縄県)などにまだまだ取り組んでまいります!経営者の皆さまをはじめ、役職員の方々もお忙しいかとは思いますが是非ご参加ください!!
本年も大変お世話になりました。
2014年も、皆様にとって素敵な1年となりますよう、お祈り申し上げます。
それでは、皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。