はちみつ西垂水養蜂園(株)
いつも大変お世話になっております。
鹿児島県農業法人協会事務局の山野です。
今回は、南九州市知覧町の【はちみつ西垂水養蜂園(株)】をご紹介します。
(ホームページ https://nishitarumizuyouhouen.com/)
今回は、代表取締役の西垂水 栄作さんにお話を聞くことができました!
当協会で唯一の養蜂業であり、次男の西垂水 潤さんには農業法人ファーマーズマーケットの運営委員として参加していただくなど、当協会の活動に対してもご活躍いただいております。研修会等でお会いしてお話することがあり、親身な親父さん!の印象を持っていましたが、今回、仕事や経営に対する考え方を語る姿を見て、積極的に情報を取り入れる姿や会社経営や養蜂業への熱い想いなど、新たな魅力を再発見することができました!
お忙しいところ、ご対応いただきありがとうございます(*^▽^*)
はちみつ西垂水養蜂園(株)は現在、役員3名、社員5名、常勤パート3名で業務に励んでおり、経営規模は、蜂600群、花粉交配用蜂600群です。
はちみつ西垂水養蜂園(株)のはじまりは、栄作さんのお父様の正さん。栄作さんは30年前に経営を引継ぎ、平成25年3月に法人化されました。
栄作さんは同業者だけでなく地域の農業者との交流を大切にされており、様々な情報を取り入れていました。その中で、“法人化した方が優遇される”と話を聞き、自社の売上が伸びたところで税理士さんへ相談。一度目は「まだ早い!」と法人化は保留になりましたが、その後も順調に売上が伸び、平成25年に法人化へと繋がりました。
栄作さんが継いだ当初、まだまだ輸入蜂蜜に押され、全国的にも主流は花粉交配用蜂で売上も「交配用蜂が7~8割、蜂蜜が2~3割」でした。養蜂業の後継者がいないなどの影響により、養蜂を営む経営者は、全国的に半数以上が減りました。
その後、食品偽装が世界的に問題になり、日本は国産志向が高まりました。養蜂では岡山県にある山田養蜂場が注目されたことで、「国産蜂蜜」の需要が増え、蜂蜜を生産しても足りない状態が5~6年続きました。
はちみつ西垂水養蜂園(株)は、転地養蜂を用いており、全国各地の蜂蜜のシーズンに合わせて北海道、秋田県、長崎県、鹿児島県を移動しています。そのため、収穫した蜂蜜は、現地で卸業者へ販売することで輸送費を抑えていましたが、そうすると相場が低い時は売上が落ちてしまいます。そこで栄作さんは、こだわりを込めて生産した蜂蜜を安売りしたくない想いが膨れ上がり「直売しよう!」と、経営を引き継いで約10年目に、新たな経営戦略を打ち立てました。
まずは取引先を探すため、商談会へ参加しましたが、そこで衝撃を受けました。
在庫がないと取引のテーブルにもたてない!
次の収穫まで商品が無く、どれだけの量を収穫できるのか不明なまま商談しても相手が取引できないことは当たり前だな、と商談会で学びました。
商談のテーブルにつくため、豊作の時に一斗缶を50~60本在庫として鹿児島へ持ち帰り在庫として抱え、少しずつ在庫を増やしていきました。
戦略として在庫を抱える反面、販売しない分の売上がなく、経営が苦しい時期もありました。
5年前頃からは在庫を積んでも、耐えられる経営になってきたと実感。
改めて在庫を増やせる蜂蜜は、簡単には“腐らない”ことが強みだと分かりました。
直売を始めてから約20年!
はちみつ西垂水養蜂園(株)の蜂蜜は、全国を移動する転地養蜂ならではの「1種類の花だけで作る単花蜜」がお勧めです。
●百花蜂蜜
その名のごとく百の花(たくさんの種類の花)から採取
●そば蜂蜜
フランスで最もポピュラーな蜂蜜。個性的な香りが特長であり、ミネラル含有量が多い
●アカシア蜂蜜
蜂蜜を口に入れた後の喉にささるようなクセがなく、スッキリとした味わい
●みかん蜂蜜
みかんの花で蜂蜜を採取しており、柑橘系のほんのり甘い香り
●レンゲ蜂蜜
上品な甘さにコクがあり、非常にまろやかな舌触りが特長
他にもリンゴ、たんぽぽ、アザミなど種類豊富です。
栄作さんは、日頃より「どこにどんなお花が咲いているのか?家庭菜園で収穫せず花が咲いているところに蜂はいるのかな?」とお花の情報をすぐに取り入れています。そういった所から、蜂蜜の種類がどんどん増えてきたのかもしれませんね!
はちみつ西垂水養蜂園(株)HPよりオンラインで購入できますが、会社所在地に直売所があり購入できます!
〒897-0306 南九州市知覧町西元12600
入店したら、ドーンッ!とはちみつがお出迎えしてくれます( ´艸`)
栄作さんのお勧めは、
「北海道産のはちみつ!鹿児島県人が北海道まで行って採取している蜂蜜は、今は少なく貴重です」
他にも、蜂蜜を使った加工品が盛りだくさん😋
直売所では、今年の2月からソフトクリームの販売を開始!
ソフトクリームにかける「はちみつレモン」を生み出したのは、奥様の京子さん!
取材中も栄作さんは「奥さんの作ったはちみつレモンの味が一番おいしい」と絶賛,゚.:。+゚
現在、「はちみつレモン」の商品展開に向けて、他社と共同開発中で日々、試作を繰り返しています!商品化が楽しみです♪
栄作さんは、会社経営においても、家族の意見交換を大切にしています。
京子さんはもちろん、栄太さん(長男)や潤さん(次男)の意見も取り入れながら、経営戦略や商品開発に反映させています。
栄太さんより、北海道に拠点を移したい!と申し出があり、今後は、北海道と鹿児島の2拠点で効率よく移動してくことの確立が目標です。
最後に、栄作さんから「養蜂業は県内では70社程度いるが法人化しているのは3~4社と少ない。自社の経営のためにも、自身の成長のためにも鹿児島県農業法人協会に入会したことで、出会いや学びがあり、とても良かった。会社としては、これからもお客様の声や要望を聞いて、試作を繰り返し、商品化を進めて行きたい」と、当協会や今後の展望について語っていただきました。
栄作さん!京子さん!社員の皆さん!
取材へのご協力ありがとうございました。
【番外編】
直売所の真向かいに、階段を見つけたので近づくと、、、
「みつばちこうえん」と看板を発見!
階段を上ると、その先には、、、
素敵な風景が広がっていました。
はちみつ西垂水養蜂園(株)一同が手作りで作成中!
畑は植え替え時期でミモザが綺麗に咲いていました♪季節のお花を見ながら、天気の良い日にベンチに座り、ソフトクリームを食べる休日を想像するだけでもワクワクしました~