農業法人の
紹介

(有)上室製茶

いつも大変お世話になっております。

鹿児島県農業法人協会事務局の山野です。

今回は、志布志市有明町の【(有)上室製茶】をご紹介します。

(ホームページ http://chanokura.jp/

今回は、代表取締役の上室 和久さんにお話を聞くことができました!

研修会等でお会いしてお話することがあり、親切な真面目な方!の印象を持っていましたが、今回、仕事や経営に対する考え方を語る姿を見て、上室さんの軽快なリズムで聴き心地の良い会話や謙虚な人柄など、新たな魅力を再発見することができました!

お忙しいところ、ご対応いただきありがとうございます(*^▽^*)

(有)上室製茶は現在、役員4名、社員5名、パート1名、技能実習生4名で業務に励んでおり、経営規模・品目は、茶(17.5ha)、施設でピーマン11a、大麦若葉(11t)、サラダゴボウです。主力は、お茶の中でも有機碾茶(てんちゃ)で8ha生産されています。

訪問した時は、大麦若葉を乾燥させているタイミングでした,゚.:。+゚

和久さんは、10歳の頃から後継者になる気持ちを持ち、「茶工場があるから、機械や電気に詳しくなりたい」を動機に地元の工業高校に進学。卒業後は県立農業大学校茶業科へ進学し、(有)上室製茶に入社されました。

入社して2年間は、当時の代表取締役のお父様の方針で静岡県のお茶農家へ住み込みで研修に行き、22歳の時に戻ってきました。

(有)上室製茶は和久さんのお父様の代に法人化(平成9年1月)しました。当時はお茶の景気が良く、節税の面や和久さんが戻ってくることが分かっていたので、規模拡大し社員を雇用するためには、個人農家では得られない法人格の信用が必要だと考え、法人化に至りました。

以前よりお父様から「60歳になったら譲る」と聞かされており、宣言通り、平成25年に和久さんが代表取締役に就任しました。

今回の取材を通じて、和久さんの今の経営戦略や人材育成など大きな影響を受けたのが、他産業との交流です。曽於地区で開かれた研修会に群馬県の農業生産法人グリーンリーフ(株)の澤浦社長が講師として来られ、当協会の副会長である(株)さかうえの坂上隆社長も含めた3人でお話する中、勧められ入会した「中小企業家同友会」での刺激が会社経営に反映されています。

取材の中では大きく3つの取り組みがありました。

1つ目は、主力である有機碾茶の生産!

有機碾茶の生産をする前は、煎茶の市場出荷が主力でしたが、同友会で他の経営者の話を聞く中で、市場出荷だけでなく直接取引が必要だと感じ、需要等を調べ販売先があり、他と比べると需要などが比較的に安定する有機碾茶の生産を5年前から始めました。

お客さんとの直接の取引が今までなかったので、そこで新たな壁がでてきました。

「これでいいだろう」は通用しない。契約に則った品質で納品することが前提であることを知りました。ダイレクトにお客さんから要求を言われることで、自社に足りていない部分を学ぶことができました。

要求される度に、会社として成長していき、ここ2~3年で会社らしくなったと実感。

新型コロナウイルス感染症の影響により茶業界は、一番のPRしたい新茶販売のタイミングで催事が中止になり、売る機会が得られない等の大きな影響をうけています。(有)上室製茶さんも過去に例を見ないほどの厳しい経営を強いられ、不安はありますが、有機碾茶や後ほどご紹介するピーマンの生産など対応策を打っているため「何とかなる」と語られました。

2つ目は、人を大事に、社員を大切にする気持ち!

有機碾茶を生産することで、社員がどんどん増えていく中、和久さんは「社員のことを労働力」だと思っていましたが、同友会のディスカッションを行う研修会で「農業では出来ていなくて当たり前だと思っていたことを、他産業の方々に『それは、して当たり前』とケチョンケチョンに言われて、ハッとさせられました」と、本当なら言いづらいようなことを軽快なリズムで語ってくれました。

そこから、社員は労働力ではなく仲間だと感じ、社長の役割として安定的な経営で利益を得て、社員へ還元することだと考えるようになりました。

同友会の関係で、外部の方へ依頼し、組織作りをするための人事評価など整えてもらいましたが、社員と面談する中で、組織作りより「女性用トイレが欲しい」と社員から要望があり、そこでも気づかされました。

以前は男性中心の会社でしたが、今は女性の社員も増えており労働環境の整備を優先すべきだと考え、現在、トイレを新たに建築中です。トイレも掃除しやすいような配置にするなど、社員のことを考えていらっしゃいます。他にも、「契約する時に、会社を訪問される相手先の中には、トイレを最初に見る方もいらっしゃるので、ちゃんとしたい!と思っていたんだよね」と教えてくれました。

和久さんは「法人協会や同友会の研修会で得たことを、そのまま自社に持ち帰ってしまうから、失敗してしまう」と語っていましたが、和久さんが積極的に情報を収集し会社へ取り入れることで、社員にも刺激になり、社員からも意見がでてくる素敵な関係が築けている!と思いました。

和久さんの目標として、「自分が変われば社員も変わる、ここで働けて良かったと思ってもらえる会社づくりをしていきたい」と話してくれました。社員のことを大切にしようと考え始めてから、休日は有給を含めて年間100日を超えるように設定するなど雇用条件を整えた結果、面接を受けに来る人も良い方向に変わり、任せていけるような人材が集まってきました。

最後は、ピーマンの生産開始!

社員を大切にしていくため、会社のリスク分散が必要だと考えました。

天候に左右されず、小面積で生産をコントロールできる品目をと考え、施設野菜に絞りました。そこでも坂上社長に相談し、日照等を考慮した結果、ピーマンを生産することにしました。

ちょうどピーマンの収穫をされていたので、現場にも行ってきました!

ハウスには、社員の塩入さんがいらっしゃり、少しお話を聞くことができました。

塩入さんは昨年の8月に入社し、10月からピーマンの担当です。

農業は未経験で、会社としても初めての取り組みであるピーマン生産を任されたことに責任も感じていらっしゃるようですが、それをやりがいだと考え、近隣のピーマン農家さんへ積極的に学びに行っています。

「今年は、誘引作業を始めるのが遅くて駄目にしてしまったところもあるので、来年は段取りよくしていきたい」と笑顔!とても意欲的に働いている姿が印象的です( ´艸`)

和久さんは、「ピーマンの生産を計画したタイミングがあと半年遅かったら、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、実施には至らなかったと思う。本当にタイミングが良かった。今年のピーマンは計画よりしっかり出来たから、余力がある内に次の品目を考えています」と次の計画も少しだけ。

最後に、「まずは収益の柱として3つ『有機碾茶』、『煎茶(大麦若葉などを含む)』、『施設野菜』。3つの柱のうちどれか1つが打撃を受けても他の柱でカバーできるような体制を作り、他産業にも引けを取らない会社になっていきたい」と熱く語ってくれました。

和久さん!社員の皆さん!

取材へのご協力ありがとうございました。

<番外編>

元々、(有)上室製茶さんの商品デザイン、素敵だな~と思って気にはなっていましたが、1年前の研修会で和久さんとお話した際に、ピーマンの生産を始める!と聞き「お茶屋さんなのに、施設野菜!?」とびっくり(*゚Д゚)

もっと知りたいと思い、今回の取材のきっかけになりました。

このデザイン、素敵ですよね!

北海道の(株)ファームステッドさんに依頼され、本でも紹介されていました。

(株)ファームステッドHP

他にも奥様が中心となり、加工品の生産を取り組んでいます。

今回、「抹茶みるく豆」をご紹介いただきました!抹茶風味ではなく、しっかりと抹茶の味を感じることができ、食べやすいお菓子なので、お茶菓子にぴったりです♪♪

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