活動報告

若手企画研修会「生産性向上勉強会~働き方改革対策~」(耕種部門)

いつも大変お世話になっております。

鹿児島県農業法人協会事務局の山野です。

当協会では、今年度より新たな企画として「若手企画研修会」を行うこととしています。

当協会の重点活動方針の一つに「若き力の活用とチャレンジ支援」があり、この若手企画研修会は各部門で若手会員の担当者が、開催内容や講師などを企画する研修会。

今年度は「スマート農業」を大きなテーマに「生産性向上勉強会~働き方改革対策~」を畜産・茶・耕種の3部門で開催します。

令和2年9月15日(火)には耕種部門の勉強会を鹿児島サンロイヤルホテルで開催し、18名の方々にご参加いただきました。

今回の耕種部門では、AI搭載のロボットが自動で獲ってくれる「収穫ロボット」を開発した、inaho株式会社さんに依頼し講演いただきました。

inaho株式会社HP

<進行>

 当日は、若手会員の(有)ライス郷井手口の井手口正昭氏に、進行していただきました。

<あいさつ・講師紹介>

 若手会員を代表して(有)ファームランド豊の松下寛和氏よりあいさつ

 松下さんは当協会の理事も務めていらっしゃいます。

今回の講師の先生を提案されたのが、松下さん!

なぜ、話を聞きたかったのかの想いも含め、講師紹介していただきました( ´艸`)

<講演>

 講師:東榎田 晃太郎氏

    (inaho(株) アグリコミュニケーター)

 今回は、講師の意向で講師のみリモートで参加となりました。

大きなテーマとして「世界のアグリテック事情とinaho」を題し、ポイントが3つ!

 1 世界のアグリテック事例紹介

 2 日本農業の“今”

 3 inahoがやろうとしていること

まずは、世界のアグリテックの事例を動画と補足情報を添えて説明いただきました。

 ・自動スプレーロボット

 ・リンゴ自動収穫ロボット

 ・イチゴ自動収穫ロボット

 ・大玉トマト自動収穫ロボット

 ・ミニトマト自動収穫ロボット

次に、日本農業の“今”については、

 ・農業就業人口平均年齢は約67歳

 ・農業従事者年齢構成比率は65歳以上66.4%、50~64歳23.1%、49歳以下はわずか10.5%

 ・施設栽培の農家数・面積ともに過去15年で25%減

 ・1経営体の生産量倍増が必須

上記4つについて、グラフと一緒に説明され、2つの課題をあげました。

 課題1:人材確保

     ・休みがない

      米麦と違い収穫期間が長いアスパラガスでは年間200日収穫

     ・腰が痛い(自動でできない=手動)

肉体労働のため身体負荷が大きい。年齢に関係なく辛い

 課題2:過酷な収穫作業

     ・収穫作業には農家だけではなくパートが必要

     ・地方の労働者不足は深刻。収穫を担うパートを確保できない

     ・人員確保の不安から、生産面積を拡大できない

最後は、日本の農業の課題を踏まえてinaho(株)がやろうとしていることをご紹介いただきました。

テクノロジーで農業をupdate!  

↓どうやって

人手不足や経営課題をロボットで解決!
(農業を“元気”にしたい!!)

  ↓だから

農家さんの“生の声”を聴きました!

農家さんの“生の声”を聴き、野菜毎の作業時間割合をだしたところ、

・ピーマン  :収穫・調整は67%

・アスパラガス:収穫・調整は59%

・きゅうり  :収穫・調整は51%

・なす    :収穫・調整は40%

収穫・調整作業の割合が高い!ということに気づきました。

収穫ロボット1台で収穫作業3人分の働きをまかない、「ヒトの“ジカン”をつくりたい」想いで、農家さんのこれまで農作業に使っていた時間を休日としたり営業に力を入れていただいたり、技術向上の時間とする等、“選択肢”と“可能性”を届けることを始めました。

inaho(株)は収穫ロボットを開発していますが、販売はされません。

では、どうしたら収穫ロボットを使えるのか!?

その答えは、inaho(株)独自で始められたRaaS(Robot as a Servicce)モデル,゚.:。+゚

RaaSモデルとは?

購入とは異なり、導入費用0円、メンテナンス費用0円、最新パーツに交換することで性能が進化、収量に応じて台数を増やすことができます。

2018年10月から、佐賀県と栃木県で実証実験(収穫、自立走行)を始め、

2019年3月からは、佐賀県周辺で実証実験(長時間、高負荷、環境耐久)を行い、

2020年からは、佐賀県と福岡県で順次本格稼働を進めています。

2021年からは、九州エリアで数千台規模の本格稼働を計画!

※アスパラガス限定

実証実験を重ねることで、

 ・収穫率は50%~(両側採りの場合は、70%~)

 ・収穫時間は1本あたり15秒

 ・収穫時間は1反あたり6~8時間

 ・連続稼働時間は8時間程度

 ・夏芽のシーズンでも、親木を避けて収穫

  (親木の後ろの収穫物にも回り込んで収穫)

これらのことができるようになりました。

まだまだ試行錯誤中ですが、今後、「ほ場や仕立て方ごとの差異データを取得」や「自動充電や自動かご交換など、仕組みを検討」」等を研究してきます。

<質疑応答>

たくさんの質疑応答がなされ、参加者の関心の高さがうかがえましたヾ(^v^)k

現在はアスパラガスのみですが、今後、きゅうりやなす、ピーマンの実証実験を行う予定です。どの品目にするか、いつから始められるかは未定ですが、興味がある方は是非、inaho(株)さんへお問い合わせください。

他の品目(例えば露地野菜)は考えていないかを質問されましたが、ロボットは露地だと1秒で環境の変化を感知するため、全てのデータをAIに覚えてもらう必要があり、膨大な労力・コストがかかるため、今は施設園芸から開発を進めています。

ロボットは、環境の変化が少ない夜に作業することが適しています。

夜に収穫してくれて、朝、出社したら選別作業に入ることができたら仕事の段取りも大きく変わっていきそうですね!

スマート農業は日々、成長が早いです!

今回のinaho(株)さんの収穫ロボットも、実験を始めて2年で稼働が開始されています。10年後、20年後には人が作業していたことをロボットが代わりに作業する姿が出てくるのかも。

研修会の企画や当日の運営をしていただいた若手会員のお二人、お疲れ様でした。

畜産部門は11月頃、茶業部門は12月に開催を予定しておりますので、興味がある方は、案内が届きましたらご参加ください。

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